オープンループオーディオテスト
クローズドループとオープンループオーディオテスト
通常のオーディオテストとしては、クローズドループを使っています。
例えば、オーディオアナライザーから発生される高音質のオーディオ刺激信号はDUTに入力し、DUTの出力信号を得られ、解析できます。クローズドループテストは、パワーアンプやオーディオ変換素子、ラウドスピーカーやマイクロホンやミキシングコンソール等の オーディオが即座に透過する装置の測定用途に利用されます。
オープンループはオーディオ信号が発生されず、DUTを介さない中で、測定する方法です。
オープンループテストは、特定のオーディオデバイス向けに利用されます。例えば、再生のみの機器(ブルーレイ/メディアプレーヤー等)はオーディオ入力素子がなく、DUTや接続しているサーバーからのデジタルオーディオファイルとして発信する刺激信号が必需となります。また、DUTからの出力がデジタルオーディオファイルとなる録音デバイスや、PCやタブレット、スマートフォン等多くのデバイスが再生と録音機能を持った装置となります。
これらの測定は個別に測定する必要があります。
オープンループテストを必要とする三つめのグループとしては、TVやラジオ等のストリーミング要素のある放送ネットワークの機器です。この場合、システムの入力は、出力は距離があり、分離されているので、オープンループ技術を駆使する必要があります。
オープンループテストでは、パイロットトーンやトリガーとなる信号が必要となります。その為、アナライザーは入力信号におけるDUTの応答を的確に見出すことができます。
再生用テスト信号の生成
オーディオ機器の再生機能のテストを行うには、高音質で、明らかにオーディオ信号とわかるものを割り当てる必要がございます。Big6のようなレベル、ゲインや周波数、THD+Nやクロストーク等はサイン波を使って測定できます。また、複雑なテストは段階的周波数スイープやピンクノイズ等が不可欠となります。
今回のようなテスト信号の生成用に、Audio Precision社としては、該社のサイトから無料でダウンロードできます、APx Waveform Generator Utilityを準備しております。これは700kB程度の小さなプログラムで、様々なサンプルレートや、チャンネル数やビット長等を生成できるオーディオテスト信号として利用できます。これらは、シーケンスモードで利用できるように設計されています。このユーティリティーソフトを使った周波数スイープは、APxのStepped Frequency Sweep measurementにあるリストの一部として認識し、測定できます。お持ちのアナライザーがデジタルI/Oモジュールを搭載している場合は、デジタルループバックで録音し、高音質のwavファイルを生成できます。
frequency response measurementsにおいては、APxソフトウエアは以下の測定が可能です。 (1) オープンループ設定, (2)特定の刺激応答(例、Stepped Frequency Sweep, Multitone Analyzer, Continuous Sweep and Acoustic Response)便利なことに刺激し応答のwavファイルを自動生成致します。ただし、Transfer Function measurementにおいては、オープンループ周波数応答測定は可能ですが、wavファイルの生成はできません。
再生機能向けのテスト
オーディオデバイスの再生機能オープンループテストの方法は図2に示しました。この場合、DUTの出力はオーディオアナライザーの入力に接続され、手順としては以下の通りです。
- ジェネレーターを設定し、刺激信号をwavファイルとして保存します。
- 必要であれば、wavファイルをエンコード(例、mp3フォーマット等)致します。
- DUTに上記の刺激ファイルをインストールします。
- APx500 softwareのアナライザー測定を開始致します。
- DUTからテスト信号を再生します。
- オーディオアナライザーはDUTからの信号を得て、解析結果を表示します。
Wifiスピーカーやスマートスピーカー等のアコースティック再生製品の測定においては、特別な手順が必要となります。この場合は、APx Acoustic Response measurementで測定致します。その際、時間窓は信号を得てからの設定となります。
録音機能テスト
録音機能デバイスのテストは、再生用のテストと反対の設定になります。オーディオアナライザーはDUTの入力に接続し、アナライザーの入力は、’ File (Digital Units)’に設定致します。これはwavファイルからの入力を意味します。アナライザーからの入力信号はDUTに録音され、そのファイルはアナライザーで解析を行うことになります。図3に一連の手順を示しました。
1.オーディオアナライザー内の刺激信号を生成し、DUTで録音開始いたします。 2.Signal generatorを開始致します。 3. 録音を終えたら、停止致します。 4. 録音したファイル保管し、APxソフトウエア上に移行させます。 5. ファイルの形式がwavファイルでない場合は、wavファイルの形式にデコードします。 6. wavファイルを測定、解析します。
アコースティックデバイスは特別な手順が必要になります。例えば、マウスシミュレーターを使った信号等が効果的です。
以上がAPx500オーディオアナライザーを使ったオープンループテストになります。
詳細は以下のリンクを参照願います。
https://www.ap.com/blog/conducting-open-loop-audio-tests-with-apx-audio-analyzers/