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APx555 B Series & ADC Test Mode Option

APx555Bはサイン波の周波数が安定した生成や、低残留歪みやコモンモードの

DCバイアスであるVBiasを生成できるADCテストモードを備えています。

まず、アナログ高性能サイン波ジェネレーターは、コンプレッサーやリミッターやアンプ、コーデック、DSPのような高性能オーディオデバイスの開発に広く訴求できるものを備えています。エンハンスドアナログジェネレーター(EAG)は低歪みのサイン波ジェネレーターと、高精度のサイン波アナライザーに加え、30ppm以下の精度を持ったサイン波周波数安定度を兼ね備えております。また、5Hzから100kHzまでの低歪みアナログサイン波バースト信号を生成したり、バランスドのチャンネル出力の極性を反転させることも可能にしています。

加えて、THD+Nは50kH以上(-2dB)で、THDは5kHz以上で(-2~-5dB)と、非常に低い残留歪みを誇っております。

次に複数のADコンバーターの複雑なテストや検証を行うにあたり、APx555BはコモンモードのDCオフセット電圧を校正し、混在したバランスドアナログオーディオ信号を生成するADCテストモードオプションを搭載しています。この機能は、オーディオコーデックやADC ICのようなDCバイアス電圧を使い、単一電源電圧や入力を操作したいデバイスをテストする際に有用となります。さらにADCテストモードは過電圧からの損傷を防ぐプラグラマブルな電圧制限も内蔵しています。

詳細をご確認する際は以下のサイトを参照願います。

APx500オーディオアナライザのアナログ入力性能は?

APx500ソフトウエアのアナログジェネレーター機能を使って決まった出力範囲を定められる一方、今回アナログ入力レンジの挙動に関して説明致します。

アナログ入力レンジ

APxオーディオアナライザの一般的に残留ノイズは1.0-1.4マイクロVrmsの間で変化します。一方、図1の通り、残留ノイズがより低ければ、周波数応答を使って、100ナノVrmsまたはそれより低いレンジの測定できます。

図 1. FFT spectrum of typical APx555 analog input noise (320 mV input range, input shorted, FFT bin width = 1 Hz, 100 averages)

APxオーディオアナライザでは、入力タイプ(バランス、アンバランス)や機種によって、80~300Vrmsまで上限の電圧測定を変えることができます。つまり電圧測定はダイナミックレンジ180-190dBの範囲まで広げられるようになっています。これまで180dBのダイナミックレンジのアナログ回路や120dB以下のADコンバーターでさえも物理的には測定が困難であったのですが、数10ナノVから数100Vまでの広範なダイナミックレンジの電圧測定を可能に致しました。

APx500シリーズは10dB刻みの入力ステップに対応しています。例えばAPx525Bは標準で入力レンジが0.32,1,3,2,10,32,100,300Vと対応しており、APx500Bは6dB刻みでと高性能な入力レンジを保有しています。

オートレンジ

APxオーディオアナライザは標準でオートレンジという、入力レベルを自動的に変更きる機能を備えています。オートレンジをイネーブルにしたら、各チャンネルの最初の入力時における瞬時電圧を検知し、自動的にチャンネルの入力レンジに対する最低レンジを自動的に設定致します。このレンジングシステムは高電圧による損傷にさらされないよう、内部回路を保護する機能として非常に重要な役割をになっています。 

また、図2のように測定レンジが青のバーで記されているようにオーバーラップしています。レンジングシステムとしては、最小の320mVは320mVを10%超える範囲まで対応しており、1Vのレンジも10%の範囲を超えるまでは標準対応となっています。その後3,2Vのレンジに上がっていきます。2Vrmsから下げる場合は、3.2Vのレンジは約0.9Vrmsまではカバーします。このようにレンジのオーバーラップした階層機能によって測定レンジを充分にカバーする構造となっています。

図 2. APx525 analog input ranges. (Note: approximately 5 decades removed from horizontal axis below 10-1 V).

入力レンジインジケーター

図3のような、APx500ソフトウエアユーザーインターフェースの右下にあるステータスバーにあるインジケーターはアナログの入力レンジを表しています。値は常に変化しています。この例では、APx555Bの2チャンネルを表示しております。チャンネル1は310mVでチャンネル2は620mVとなります。

図 3. The APx500 status bar, showing the analog input range indicator.

固定入力レンジ

オートレンジ機能は自動レンジを好まない規定の測定には適していません。そこでシーケンスモードで個々の測定を行う機能があります。図4に示されているようにAdvanced Settings button を使って設定できます。ベンチモードではオートレンジ機能は対応しております。またInput Configuration control groupの中の Input Range buttonからも設定ができます。ただし、入力電圧がMinimum Rangeで規定した電圧を超えて入力する場合は、次の上のステップの電圧レンジとなり、元には戻らないので気を付けてください。とはいえ、過電圧による破損を防ぐ設計思想となっています。

図4. Accessing the Input Range controls from a Sequence Mode measurement.

オートレンジ機能を使わないケースとは?

デフォルトではオートレンジ機能がイネーブルとなっていますが、この機能を使わないケースとして、考えられるのは、

1.リレー部品等を使った回路で周期の切り替えが多数入っている製品の測定 

2. 周囲の騒音レベルが影響を及ぼしそうなアコースティック測定      

3. 測定が開始後にレンジ変更が発生する際のチャープ測定          

4. 波形をファイルに保存するような測定

帯域外ノイズ

入力レンジに関してもう一点懸念しておくことは帯域外ノイズの存在です。APxアナライザはフィルターを内蔵しており、緻密な入力管理状態ですが、高い周波数ノイズを含んだ入力信号等を測定する場合は、うまく反映されないケースが生じます。例えば、D級クラスのパワーアンプの測定の際にはこのような状況が発生します。その際は、ローパスフィルターの機能となるAUX-0025またはAUX-0040の利用をお薦め致します。

DC電圧

入力チャンネルがDC結合の場合、電圧も入力レンジの選択に左右されます。特に気を付けるのはAPx582B/585B/586Bのような8チャンネル対応品のケースです。AC結合はデジタルフィルターを内蔵しておりますので、DC電圧が見られる解析を伴う回路に関しては、DCとACが混在混在した充分に考慮のいるレンジの選定が強いられます。このような際はAUX-0100という8チャンネルのプリアナライザーフィルターの使用をお薦め致します。これは高周波数の帯域外ノイズを除去する機能もあります。

さらに詳細内容をご確認したい際は以下のリンクを参照願います。