ベンチモードVSシーケンスモード
皆さんこんにちは、コーンズテクノロジーです。
今回はAudio precisionのインターフェイスであるベンチモードとシーケンスモードを比較していきたいと思います。
この二つのモードはただ2つのソフトウェアの使用方法ではなく、2種異なる信号処理方法でもあります。シーケンスモードはシステムのオリジナルユーザーインターフェイスの標準ではあります。私たちはAPソフトウェアを使いやすく自動化する為にシーケンサーやレポートジェネレーターを組み込みました。
また、私たちはハードウェア測定を慣れている玄人を完全にサポートする為に
ベンチモードを後から追加しました。彼らはソフトウェアを起動した直ぐに測定を始めたいという要望がありました。(裏話:私たちはこの機能を”ベンチモード”に名付けるまでは‘即時モード’という名前を使用しました。)ベンチモードとシーケンスモードの基本的な測定項目は同等ですが、測定結果(同じデバイスのTHD+Nをシーケンスモードとベンチモードとベンチモードで測定した結果)が微妙に違うのはなぜでしょうか?
ベンチモードとシーケンスモードは基本的にオーディオサンプルを異なる手法で処理してます。
シーケンスモードでは、ほとんどのオーディオ測定結果は周波数領域処理によるものです。つまり、オーディオデータが取得され、フーリエ変換が適用された後、必要に応じてFFTビンを合計および分割することによって結果が抽出されます。ベンチモードでは、基本的な測定結果は時間領域による計算です。つまり、測定器中ではA/Dコンバーターに通った生データを瞬時の計算を実施しています。
例えば、シーケンスモードでのRMSレベルの計算はオーディオサンプルを取得し、それらをフーリエ変換を介して周波数ドメイン表現に変換することによって計算します、測定パスバンドに従ってビンが選択され、最終的なRMSレベルの結果に到達するために、RSS(平方和の平方根)加算が実行されます。ベンチモードのフィルターは、オーディオサンプルのストリームで直接計算することにより、時間領域で同様に実装されます。
まずはっきりしたいのは、上記いずれのモードは普遍的なものではありません。シーケンスモードではたくさんのフィルターが時間領域に実装され、例えば、準ピークノイズなどの一部の測定値は、時間領域ベースの信号処理によってのみ返されます。同様に、ベンチモードでは、時間領域信号周波数領域にフーリエ変換することにより、信号スペクトルが提供されます。
しかし、この根本的な違いにより、測定結果がわずかに異なる場合があります。測定がベンチモードで行われるかシーケンスモードで行われるかによるものです。どちらの結果も必ずしも正しいものでも間違ったものでもありませんが、基になる信号処理の微妙な違いを明らかにします。