月: 2020年5月

ベンチモードVSシーケンスモード

皆さんこんにちは、コーンズテクノロジーです。
今回はAudio precisionのインターフェイスであるベンチモードとシーケンスモードを比較していきたいと思います。

 この二つのモードはただ2つのソフトウェアの使用方法ではなく、2種異なる信号処理方法でもあります。シーケンスモードはシステムのオリジナルユーザーインターフェイスの標準ではあります。私たちはAPソフトウェアを使いやすく自動化する為にシーケンサーやレポートジェネレーターを組み込みました。

 また、私たちはハードウェア測定を慣れている玄人を完全にサポートする為に
ベンチモードを後から追加しました。彼らはソフトウェアを起動した直ぐに測定を始めたいという要望がありました。(裏話:私たちはこの機能を”ベンチモード”に名付けるまでは‘即時モード’という名前を使用しました。)ベンチモードとシーケンスモードの基本的な測定項目は同等ですが、測定結果(同じデバイスのTHD+Nをシーケンスモードとベンチモードとベンチモードで測定した結果)が微妙に違うのはなぜでしょうか?

 ベンチモードとシーケンスモードは基本的にオーディオサンプルを異なる手法で処理してます。
シーケンスモードでは、ほとんどのオーディオ測定結果は周波数領域処理によるものです。つまり、オーディオデータが取得され、フーリエ変換が適用された後、必要に応じてFFTビンを合計および分割することによって結果が抽出されます。ベンチモードでは、基本的な測定結果は時間領域による計算です。つまり、測定器中ではA/Dコンバーターに通った生データを瞬時の計算を実施しています。

 例えば、シーケンスモードでのRMSレベルの計算はオーディオサンプルを取得し、それらをフーリエ変換を介して周波数ドメイン表現に変換することによって計算します、測定パスバンドに従ってビンが選択され、最終的なRMSレベルの結果に到達するために、RSS(平方和の平方根)加算が実行されます。ベンチモードのフィルターは、オーディオサンプルのストリームで直接計算することにより、時間領域で同様に実装されます。
 まずはっきりしたいのは、上記いずれのモードは普遍的なものではありません。シーケンスモードではたくさんのフィルターが時間領域に実装され、例えば、準ピークノイズなどの一部の測定値は、時間領域ベースの信号処理によってのみ返されます。同様に、ベンチモードでは、時間領域信号周波数領域にフーリエ変換することにより、信号スペクトルが提供されます。

 しかし、この根本的な違いにより、測定結果がわずかに異なる場合があります。測定がベンチモードで行われるかシーケンスモードで行われるかによるものです。どちらの結果も必ずしも正しいものでも間違ったものでもありませんが、基になる信号処理の微妙な違いを明らかにします。

なぜサイン波を使用するの?

皆さんこんにちは。
コーンズテクノロジーです。

今回はオーディオの測定において、なぜサイン波を使用するのかについて話をしていきたいと思います。

 なぜ多数のオーディオ測定はサイン波を使うのか?この質問については少なくとも1週間に一回耳にしますね。サイン波に関する質問はたくさんありますが、最も基本的な質問から解説していきましょう。サイン波を趣味で聞いている方はいないでしょう。人々は主に音楽やスピーチを楽しんで聞きます、なのでそれらを最大限に再現するのは音声システムの目標となります。ではなぜオーディオ測定器はサイン波に注目するのでしょうか?

 サイン波の特徴は単一の周波数に100%のエナジーを集中することです。フーリエ分析によって、全ての信号は1つもしくは多数のサイン波で構成されてます。測定工程でのサイン波はプローブのようなものではあり、そのプローブを回路の特定箇所に当てるように正弦刺激信号は、その特定の周波数でのオーディオデバイスの応答を通知します。すべてのエネルギーが1つの周波数に集中しているため、その周波数以外のデバイスの出力のエネルギーはすべて、本質的なノイズや非線形フォームとなります。正弦波刺激を利用することによって、デバイスの応答をさらに分解できます。刺激信号の周波数の整数倍のエネルギーは高調波応答であり、対称、奇数次にさらに分割できます。高調波応答と非対称の偶数次高調波積です。例えば、パワーアンプは、パワーレールでハードクリップする傾向があり、奇数の高調波積を生成します。その場合、刺激周波数に関連しないエネルギーはノイズであり、そのノイズでさえも分類できます。例えば、50Hzもしくは60Hzあるいはそれら倍数の周波数帯のエネルギーはAC電源がシステムに浸透したものの可能性があります。つまり、単一周波数でエネルギーをデバイスに入れて、その応答を調べる事によって、デバイスについて色んな事を解明できます。非正弦波(音楽、スピーチ、ノイズなど)をデバイスに入力されると、デバイスのさまざまな非線形特性を応答から識別するのが難しくなります。

 更に、サイン波は他のオーディオ信号よりも波高率が低いため、デバイスを文字通りの限界まで物理的にプッシュする唯一のオーディオ信号です。クレストファクタは、信号のピークレベルとRMSレベルの比です。正弦波のクレストファクターは3 dBですが、音楽のクレストファクターは17 dB以上であることがよくあります。これは、正弦波が特定のピーク信号レベルに対して最も高いRMSレベルを持つことを意味します。したがって、正弦波は、アンプのパワーレールをクリップしたり、スピーカーのバックプレートを打ったりすることなく、パワーアンプまたはスピーカーをより強く押します。

最後に、サイン波はオーディオ測定の鍵です。正弦波がオーディオ測定技術を促進し、すべての初期のオーディオ測定技術に必要でした。THD + Nなどの測定は、正弦波に関して本質的に定義されます。新しい測定技術、特にFFTベースの方法は、ほぼすべての波形タイプを使用した測定を容易にしますが、新しい測定値を古い測定値と比較する場合は、正弦波を使用することが重要です。

それでは、なぜオーディオ測定ではサイン波を使用すが一般的に行われるのですか?測定の容易さと結果、他の信号タイプと比較したサイン信号のユニークな特性、そして最後に新しい測定技術を古い確立されたものと比較できるという測定の世界での重要性を示します。