月: 2020年12月

APx500ソフトウェア デモモードで何ができますか?

図 1.APx500 Software splash screen and hardware detection window

APxアナライザーを接続せずに、APx500ソフトウエアを利用するには、デモモードが有効です。 デモモードで出来ることは限られていますが、以下のようなことが実現できます。

1.プロジェクトファイルの閲覧、編集

2.プロジェクトファイルの作成

3.保存したデータや測定の確認

4.ソフトウエアの評価や動作、挙動評価

APx500ソフトウエアはwww.ap.comから無償でダウンロードできます。デモモードを選択すると、ソフトウエアはデータは無効ですが、アナライザーが接続しているかのように動きます。また、自分で操作し、保存したプロジェクトファイルを自分流で解析、測定をも行えます。そのファイルを同僚や開発メンバーと共有することもでき、便利なモードです。

例えば、遠く離れた同僚が測定で苦慮している際、例えアナライザーを保有していなくても、プロジェクトファイルを共有すれば、シミュレーションして仲間を助けることも出来ます。もちろんデモモードでは、信号は発生しませんので、実際にソフトウエアがどのように動くのかを学びたいというには不向きです。

APx500Version5.0以降では、入出力でASIOを選択し、ASIO LoopbackをDUTとして選択頂くと、図2のように、シグナルジェネレーターが信号を発製し、アナライザーにループバックするというオプション機能が追加されました。

図2. Using the Demo Mode ASIO Loopback capability in APx500 software version 5.0 or later

これは、実際に測定しているかのような仮想測定環境下で、様々な設定方法やアナライザーの オプションを理解するのに役立つ手段となります。APx500デモモードはリモートサイトで働く仲間との間で、有効に測定評価できる手段です。是非試してください。

固定可能なアナログ出力レンジ(APx 500 Ver5からの機能)

今回説明致します機能はAPx500ソフトウエアVer5以降から盛り込まれた機能です。決まった出力レンジでアナログのジェネレーターを設定することでアコースティックデバイスや繊細な入力を持った電子デバイス等の測定に非常にお役に立つ機能になります。

今回の機能は、チャンネル毎にジェネレーターの出力レンジを選択できるようにしています。これは、出力レンジを切り替える際に発生する過渡電圧から保護するために、付加しました。例えば、繊細な電子デバイスのリブートやアンプを通したスピーカーのようなアコースティック測定等では、出力間で予期せぬ過渡電圧から起因するバースト音が発生することもしばしば起こりえます。

出力レンジ制御は、アナログOutput Settingダイアログの中にあります。図1のようにSignal Path SetupのOutput Configuration control groupのConnector Controlの右の歯車のアイコンをクリックすれば、利用できます。

図 1. Click the gear icon button beside the Output Connector control to access the Output Settings dialog.

デフォルトでは、Minimum Range fieldはAutoになっており、Range Maximumは、アナライザーのモデルやバランスド、アンバランスドにもよりますが、アナライザーが生成する最大電圧を示します。例えば、APx555Bで、アナログバランスド出力の条件では、26.66Vrmsを示します。

手動で設定したい場合は、Auto Rangeのチェックボックスを外します。例えば、APx555Bでバランスド出力の条件下で、チャンネル1のMinimum Rangeを1.0Vrmsと設定した場合、最大値は1.768Vrmsと設定されます。この値は、APx555Bの次の高いバランスド出力レンジの値に相当します。結果として、全ての信号は、1.768Vrms以下のレベルで生成され、それ以上の過渡電圧から保護するようになっています。

デフォルトの出力レンジは5dB刻みになっています。しかし、これもアナライザーのモデルに依ります。APx525Bのバランスド最低出力レンジはは377.2μVrmsですが、APx515Bでは284.5mVrmsと異なります。アンバランスドの出力レンジはバランスドの出力の約半分のレンジステップで設定されています。

詳しくは、以下のサイトを参照願います。