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一般的な部屋でのスピーカーのアコースティック測定

スピーカーの周波数応答測定は、非常に重要なものです。特に自由空間での測定は代表的なものです。無響室を備えているお客様であれば、特に気にする必要はありませんが、必ずしも誰もが測定できる環境下ではありません。

今回APx500ソフトウエアを使って、一般的な半残響室で無響室の環境に近い測定をご紹介致します。ただし、スピーカーや部屋の大きさによって、数百Hzそれ以上の周波数の測定が行えるものと致します。

技術、理論上の確認を行いたい際は下記のリンクからApplication Noteをダウンロード頂ければ、参照できます。

測定で利用する際の部屋は周囲の騒音が低いレベルである点やスピーカーの指向方向に対して、距離があることが望まれます。図1のように、マイクとスピーカーの距離d(Mの3倍以上の距離を確保)し、可能であれば、10倍程度の距離を保てるようなスピーカーや部屋の広さが望ましいところです。

図 1. Schematic of loudspeaker on-axis measurement showing the direct sound path and the path of the nearest reflection

音はDUTからマイクロホンまでの距離dに対して進むのと一方、床や天井、壁等の反射による反射音が2dRの距離で進んできます。

最も近い反射時間はT = (2dR – d)/c となります。cは質問時の音速(約344m/sec)です。高さ2.4-3mの天井の一般的な部屋ではTは約5-6msecです。

図 2. A loudspeaker’s measured Impulse Response with the time window cursor positioned at T = 5 ms after the main impulse.

主インパルスの後に発生する細かいインパルスは反射によるものと思われます。(図2参照)また図3のような目立ったエネルギー曲線(高調波)としても判別できます。

図3. The Energy Time Curve result.

図2や3の点線は5msec時に引いています。APxソフトウエアは新たに設定した時間枠でRMSレベルを再計算致します。

図4はT=5msec(青)と1sec(紫)時におけるスピーカーのRMSレベルの結果を示しています。

灰色部分は1/T=200Hz時以下となり、データとしてあまり正確でない部分です。図4の結果からは400Hzから1kHzmでの周波数が非常に近似したデータとなっています。

図 4. The RMS Level result with curves corresponding to time windows of 1.0 s and 5 ms after the main impulse.

またその他スピーカー測定の環境としては、

・長方形の部屋であること。その際スピーカーとマイクロホンは対角線上に配置し、壁の反射による影響を防ぐように致します。

・2ウエイ、3ウエイのスピーカーに関しては、マイクをツイーターに向けることで高い周波数の測定にも有用になります。

詳細は下記のサイトでも参照できます。