月: 2021年3月

ポーラープロットユーティリティー

ポーラープロットは特定の周波数におけるさまざまな角度に対するスピーカーやマイクロホンの応答を示す測定手法です。図1のような複数のプロット図では、さまざまな周波数で測定した結果を表しています。例えば、図1のプロットから、スピーカーが250Hzで全方位、その他高い周波数でどの方向で強い応答を示しているかが分かります。ただし、同時に複数の周波数のプロっとを行うことは出来ません。

図1.Polar Multiplot view from the APx Polar Plot Utility for a speaker measured with one degree angular resolution

コンタープロットは全周波数の指向性情報を表示することができます。図2は図1で利用したスピーカーのコンタープロットです。横軸は全周波数レンジで、縦軸は0度を中心に360度方位を示しております。コンタープロットは色を使って、周波数による指向性の変化を示す手段となります。

図2.Contour plot of the same speaker directivity data shown in 図1

VACS Software

図2で使ったコンタープロットは、VACSと呼ばれるサードパーティ製ソフトウエアを使って表示しております。このソフトはアコースティック測定データを視覚化、処理、組織化するようなもので、ドイツの開発会社が販売しております。(www.randteam.de)VACS Viewerは無償でダウンロード可能です。機能はVACSと同じように使えますが、プロジェクトファイルを保存することは出来ません。VACSやVACS Viewerをインストールしたら、APxポーラープロットユーティリティーで測定したデータも移植することができます。図3はVACSアプリケーションを使ったコンタープロットです。4つの表示になっています。(左上;コンタープロット、左下;ポーラープロット、右上;周波数応答プロット、右下;ビーム幅のプロット)ポーラーと周波数応答プロットは3次元コンターデータを介して構成しています。カーソールを動かすと、ポーラーや周波数応答プロットは、指定した周波数、角度位置に沿った曲線を更新します。ビーム幅のプロットは、カラーマップ上のカーソールレベルに紐づいており、カーソールからレベルを選択できるようになっています。

図3. A contour plot view in VACS

詳細は以下のサイトをご参照願います。

www.ap.com/blog/improved-polar-plot-utility/

TEDSとは?

アコースティック測定を行う際は、まず、測定マイクの校正、感度調整から始めます。GRAS製品GRAS42AG(下図)のような音声レベル校正器を使うと、特性評価を行いたいDUTを使った測定マイクの感度を取得することが出来ます。しかし、センサーや解析ソフトウエアから直接マイクの感度を電気的に読み取ることはできないものでしょうか?

GRAS 42AG校正器

TEDS–the Transducer Electronic Data SheetはIEEE1451で規定された、プリアンプ内蔵のICにマイクの感度データを保存している方法になります。APx517Bアコースティックアナライザー(下図)やGRAS12BAまたは12BB CCPパワーモジュール(下図)のようなAPx500ソフトウエアや適切場インターフェース機器を組み合わせることで、TEDSのデータを読み取ることが出来ます。

APx517B アコースティックオーディオアナライザー
GRAS 12BB CCPパワーモジュール

利用するマイクを15分~1時間も校正に時間を要し、測定を開始するのではなく、APx測定ソフトウエアのマイク感度を直接読み込み、ボタンをクリックするだけで、校正は終わります。APx500 ソフトウエアは自動的に感度を読取り、測定に反映してくれます。一方、TEDSデータは非常に便利にできます。まず、TEDSデータは書き込まれた時点と同じ値を維持します。次に、アンプやアッテネーター等の影響も受けません。という訳で、定期的にマイクを校正するには十分な効果を発揮します。

APx500ソフトウェアで、TEDSデータを読み込み、マイク感度情報を設定いたします

測定マイクの感動を読取り、適用するにあたって、自動的に実行し、測定工程時間を節約できます。

詳細は以下のリンクを参照願います。

www.ap.com/blog/what-is-teds/