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任意の波形に対するAPxジェネレーターレベルの設定方法

APx500ソフトウエアを使うと、wavファイルをロードすることで、様々な任意の波形を生成でき、測定に寄与することが出来ます。しかし、波形の生成レベルを特定するのはかなり難しい 事です。今回、その生成レベルと測定レベルの相関性を述べたいと思います。

APxアナライザーによる測定で得られた波形はwavファイルのような波形ファイルとして保管されていますが、そのスケールはrms(実効値)レベルで保存されます。今回APx Waveform Generator Utilityで作ったReference Level.wavファイルを使って考えていきましょう。このファイルは、0, -1, -3, -20,-60 dBFSのレベルで997Hzのサイン波のReference Levelとしたファイルとして利用致します。APxジェネレーターレベルは0dBV(1.0Vrms)に設定されています。

ジェネレーターレベルと生成したレベルとの相関性は任意の波形では簡単に語れるものではございません。図1はAPxソフトウエアの一部POLQA-F1-S1-48k.wavを使ったPOLQAの会話による波形を示しています。上のグラフは入力コネクタを利用して測定し、-1~+1Dの範囲に分布しています。真ん中のグラフは、アナログループバックで得た信号を示しています。

レベルは1.0Vrmsに設定しています。下のグラフは、信号の時間に対するRMSレベルを示したグラフになっています。ベンチモードで取得し、250ポイント/秒で測定しております。Rmsレベルは-115dBV(ノイズフロア)~-13dBVと変化しています。会話のレベルは約-25dBVで測定しています。信号の全てのrmsレベルの評価は、RMSから得られる結果から簡単に取得できます。(取得方法は、結果表示エリアにカーソールを置き、右クリックでAdd Derived Result – Min/Max Statistics – Single Value – RMSの順で設定致します。)

図1の全てのrms値は-23.085dBFSです。

図1. A speech waveform (top) loaded as a .wav file into the generator; the waveform acquired in analog loopback (middle) and its RMS Level versus time (bottom) recorded at 250 readings per second.

デジタルフルスケールでピークを取った、ジェネレーターレベルと生成したサイン波との一対一での相関性は、デジタルフルスケールで任意の波形ファイルのピークを取る際に、有用に利用できます。図2の上のグラフは図1の会話レベルを示しています。下のグラフは、アナログループバックで測定した波形からの信号になります。ジェネレーターレベルは1.0Vで設定しています。

図2. The speech waveform of Figure 1 scaled such that the maximum instantaneous level is 1.0 D (top) and the waveform acquired when this signal is generated in analog loopback at a Generator Level of 1.0 VP

任意の波形に対して、ジェネレーターレベルの設定を決める方法は以下の通りです。

1.測定したい帯域において、Lowパス・Highパスフィルターを設定します。
2.初期値としてVG1をジェネレーターレベルとして設定します。
3. 信号を生成し、VM1を値として測定します。
4. 式(1)(VrmsやdBFSのリニアレベルの単位を使った)またはdB単位(dBVやdBFS)を使った式(2)を利用して目標とした生成レベルを計算致します。

例えば、ターゲットとする測定rms値をVMT = -20.0 dBVと想定しましょう。図1の波形において、ジェネレーターレベルを 1.0 Vrms (VG1 = 0.0 dBV) で設定した際、VM1 = -23.08 dBVの値が測定されました。式2を使うと、VGT = +3.08 dBVとなります。この値は、目標値-20.0dBVの測定レベルでジェネレーターレベルを制御した結果と位置付けられます。

尚、ラウドスピーカーや特定の地点からのアコースティックレベルを設定するようなノンリニアのシステムでは、回数を重ねて測定することが想定されます。

詳細は以下のサイトをご参照お願い申し上げます。